鉄道マニアにとって注目する路線の一つに名鉄築港線がある。
 色々と注目すべきポイント満載の路線で、初めて乗ってみた。

○駅の中に別の駅の改札がある。
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 名鉄築港線は大江駅と東名古屋港駅の一駅間だけ。
 なので、始発の大江駅の中に終点東名古屋港駅の改札がある。何を言ってるか分からないかもしれないけれど、専用ホームから乗る客は全て東名古屋港駅で降りるわけで(あるいはその逆)、ここで東名古屋港駅まで(から)の運賃を収受しちゃえば合理化が図れるという方式。この方法は他のこういった路線でも行われていて、東武大師線西新井駅やJR西日本和田岬線兵庫駅がある。

○電車が朝晩しか運転されない
 東名古屋港周辺には住居がほとんどない。利用者は朝晩の通勤客のみ。
 なので、運転も朝晩のみ。昼間時はホントに運転しない。
 他にこんな運転方法をしているのはJR西日本和田岬線とJR東日本鶴見線安善~大川間。どっちも工業地帯の中を走っている。

○名鉄でも新しい方の車両が使われているのに行先表示板使用
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 写真見てもらえば分かると思うけれど、LEDの表示ができるのに、何故か行先表示板を使用している。なんで?これ、なんで??別に「東名古屋港」って追加するのたいしたことないでしょ。なんで窓の中に板を表示して行先を示してるの?方向幕だったら取り替えなきゃいけないから分からなくもないけれど……。
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 ちなみに応急処置とかそういうことではなく、ちゃんと板を掛けるためのフックも常設である。なんでこんなことをするのかホントに意味不明。表示内容を書き換えるだけですむはずなのに。これ、急ブレーキとか掛けたときに鉄の板がガラスに当たって割れたりしないんだろうか。いや、しないからやってるんだと思うけど。

○閉塞方法が非自動閉塞であるスタフ閉塞
 名鉄では新しい車両で運転しているのに、閉塞方法(正面衝突や追突をしないようにする安全装置)が未だに戦前(というより鉄道が最初期)から使われている古い方式だったりする。
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 運転席にある輪っかに三角と下に棒がくっついているのがスタフと呼ばれる通行手形。三角(第3種)以外にも四角(第2種)や円(第1種)、楕円(第4種)とか形がある。これがないと大江~東名古屋港間を走ることができない。この通行手形があれば走れるわけで、非常に昔から使われている正面衝突を防ぐ方式。確かに確実なのだけど、それなりに都会の新しい車両との組み合わせが不思議。
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 ホームにも第3種(三角)が大江~東名古屋港間のスタフの形であることを表示している。
 似たような方式を使っている(タブレット閉塞)ところはそれなりに田舎の路線であったりするけれど、昔からの棒状のスタフを使っているのは津軽鉄道とここだけ(他はタブレット代用だったと思う)。

○直角ダイヤモンドクロッシングがある
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 営業線で路線同士が平面上で直角で交差するところ。昔路面電車ではたくさんあったけれど、そもそも路面電車自体がどんどんなくなっていたこともあって、今じゃ風前の灯火。ここの他にはとさでん(路面電車同士)と伊予鉄道(普通鉄道と路面電車)があるだけ。しかもここのは名古屋臨海鉄道と名鉄の交差なので違う会社同士の路線かつ普通鉄道同士の交差は全国でもここだけ。

 というわけで長々と書いてきましたが、マニアにはよだれが出る路線な訳です。はい。
 あとは、運転は運転資格をもった駅員がやってるとか色々あるけれど省略。
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 というわけでマニアな電車を楽しんできたのでした。