佐渡金山を支えた東洋一の浮遊選鉱場の跡地を見学。


北沢浮遊選鉱場

 北沢浮遊選鉱場とは佐渡金山で産出された金を含む鉱石を、ここで金だけにする作業をするところである。
 水と油性溶液が混じった液体の中に粉末にした鉱石を混ぜると、土は親水性なので沈み、金属は親油性なので浮いてくるという性質を利用して金属を効率よく分離させることができる。これを浮遊選鉱という。
 輸送費のことを考えると鉱山のすぐ近くで、この選鉱をやるのが有利なのでたいていの場合金山の横にはこういった施設がある。
 こういった施設を私は以前見学したことがある。
 台湾の九份・金瓜石で産出した金鉱石などを選鉱した場所、水湳洞の十三層遺址だ。

 というわけで、今回は佐渡金山を支えた北沢浮遊選鉱場跡地を見学!


朽ち果てる人工物の美

 朽ち果てていく人工物ってなんであんなに美しいんだろうなぁ。
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 上の方から下の方へ工程が進んでいくという理解で良かったと思う。
 重力を利用して、効率よく移動していったはずだ。
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 さらに拡大してみる。
 ツタの生え方がいいね!
 写真で見るとそう感じないかもしれないがかなり巨大だ。
 こういった施設が大規模な金属鉱山にはあったはず。


その他の施設

 他にもこの広場には様々な遺構が残っている。
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 こちらは旧北沢火力発電所。
 明治40年、佐渡に初めてできた火力発電所の跡地。
 もちろん、金山施設に電力を供給するためにできたのだろう。
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 こちらは50mシックナーと呼ばれる施設の跡地。
 石状ではなく泥状の鉱石が産出される鉱山もあったため、産出された泥状の鉱石をここで水分を分離して、通常の鉱石と同様の工程につながることになる。
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 こちらは鋳造工場跡地。
 様々な工具や機械部品を製造していたと思われる。
 残っているのは一部で、その他の建物基礎などを考えると、かなり巨大な施設だったらしい。


ライトアップもやってるよ

 ちなみに北沢浮遊選鉱場は夜間ライトアップもやってる。
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 なかなか趣あるよ。
 でも、白い光をただ当てているならいいんだけど、七色に変化する。
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 いや、その演出必要?本当に必要?
 足下はめっちゃ暗いので気をつけて!